街角の音のからくり その2 -氷見・湊川の虹の橋-


date:1997.9.4

 その1にちょっと書いたが、時計は特に目立つ存在ではなく、ある一定の時刻に人形とかが音楽を演奏するというスタイルのものの一つに富山県の氷見・湊川にかかる虹の橋がある。

 正時になるとその中から忍者ハットリ君などのキャラクターが現れる。氷見市は藤子不二夫A氏の故郷であるところからこの橋がつくられた。虹の橋は人が渡る橋ではなくてNTTの通信ケーブル用の橋なので、見るのは両河岸や隣接した人が渡れる橋からである。

 普段は人形は波形のパネルの中に隠れている。霧を発生したり、水を吹き出したりしながら寸劇を繰り広げる。人形はせいぜい後ろを向いたり、前後に揺れるくらいの動きしかない。河岸にまで水がかかるので子どもたちはびっくりして後ずさりしたりしながら楽しんでいた。霧を吹き出すのは虹を作り出すためだろう。私がいったときはあいにく光が弱くて虹は見えなかったが。

 キャラクターの声を聴こうとするのだが、音質の方はあまり良くない。音の大きさも大きくない。結局私には、何をやっているのかわからなかった。写真を撮ったり注意散漫だったからかもしれない。

 音の大きさからいえば、あれが適当なのかもしれない。周りには住宅もあるし、注意しなければ聞けない程度というのは好ましいものかもしれない。音はおそらくICに組み込まれているものだ。低質なサンプリング特有の音がした。どうせやるならもうちょっとましな音にしてほしいものだと思う。カラクリとしては、中途半端な感じがした。

 わざわざこれを見に来た家族連れが何組かは居た(私も家族と一緒)が、さすがにマリオンほどの人だかりはできない。夏休み最後の日曜日に訪れたのだが、あまり観光的な意味での誘致力はないようだ。エンターテイメントによって街を活性化するなら、もっと徹底的にやらなければ無駄だろう。街全体にそういう仕掛けがあって、一日巡って楽しめるようにするとか、さらに夏休みにはスタンプラリーにしたりとか、色々な案がありそうだ。経済的な効果をもたらすためには長時間街にいてもらう工夫が不可欠だろう。

 また、この橋の両端には「メディアタワー」(NTTだから?)というのがある。タワーの中にはいると現在時刻がアナウンスされるような仕組みになっているが、これも音質が悪くて聞き取りにくかった。

 虹をテーマにしているためか、タワー側面にプリズムがとりつけられていた。また、内部に赤、緑、青の電灯がついており夜になるときっと虹のタワーとしてライトアップされるのだろう。夜の様子も見てみたい。

 湊川にはこのカラクリのほかに、噴水がある。一定時間ごとにパターンの変化する結構大がかりなものだ。川は親水性を考慮してあり、水のすぐそばまで行って魚の泳ぐ姿などを見ることができる。だが、水面は路上より低い位置にあるので、どうしても伸びやかな感じがしないのが惜しい。噴水はやはり広場の真ん中にあった方がよく似合う。

<余談>
 氷見のうどんはのどごしがつるっとしていて、こしがあり、なかなかうまい。